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  • 執筆者の写真junpei

釈迦ヶ岳

今年の目標だった奥穂高岳から早1ヶ月。

なかなか山に行けないでいました。

天気が不安定だったことが大きな理由だったことは間違いないのですが、他にも理由がありました。

どうにも元気がでないのでした。


奥穂高岳から下山したその日。嘉門次小屋で平出さんと中島さんの滑落を知りました。

上高地に向かう日の朝、偶然中島さんの番組を見て、ああ。そう言えば今丁度チャレンジ中だったなぁ。と思っていたところでした。

まさか。あの二人が滑落…!?

言葉が出ませんでした。

初期報道でも1,000m滑落したとのことで、相当厳しい状況なのは想像できました。


達成感で高揚した気持ちも一瞬で冷め、ダメだと思いつつも生きていてほしい。と祈りました。

しかし、数日後に捜索は打ち切られ、二人とも帰らぬ人となりました。

前人未踏の難ルートなのに、彼ら以外の誰が助けに行けるのか。考えたら当然とも思えることなのでした。

今までの功績を、尊敬を持って見ていただけに、何だか気が抜けてしまったような1ヶ月でした。


予定していた月山も、台風の迷走により結局行けず仕舞い。

でも、そろそろ山の空気を吸いたい。そう思いました。

ほんのハイキング程度の山ではありましたが、選んだのは釈迦ヶ岳。

以前黒岳に登った時に向かったすずらん群生地からピストンです。

いきなりの急登ですが、すぐに尾根に乗ります。

そこからは暫く歩きやすい道が続き、府駒山へ。一旦コルに降りてからはかなり険しい岩場が続きます。

すると、山頂方向からこちらに向かってかなり熊鈴の音が聞こえてきました。

ああ、反対側から来た人がいるのか。そう思ってこの岩場ですれ違うのはちょっと厄介だな。と思いました。音はだんだん近くなってきます。

しかし、ある瞬間からパタリと音が止みました。

あれ??と思っていると、今度は後ろの方から音が聞こえます。

しかもだんだん遠ざかっているような。

実は後ろからだったのか?

そう思って後ろを振り返り、人を確認しますが、いません。

おかしいな。はっきりと聞こえていたことには間違いないのですが、人の気配が全くありませんでした。

気を取り直して山頂へ。

誰かいるかな。と思いましたが、誰もいませんでした。

残念ながらかなり雲が多く、富士山も南アルプスも全て雲の中。

もってきたおにぎりを食べ、少し寛ぎます。

相変わらず誰も山頂へは来ませんでした。本当なら素晴らしい景色が見られるところだと思いますが、またいつかリベンジしに来ようと思いました。

今回はサッと登って帰る予定だったので、長くは滞在せずすぐに下山開始です。

しばらく険しい岩場をゆっくり確認しながら降りていると、またかなり近いところから鈴の音が聞こえてきました。

え?

と思いました。なんだか聞こえてくる方向が、崖の向こうからなのです。

その方向に道はありません。

おかしいな。と、少し気味が悪くなりました。

しばらく降りて行くと、今度は行く先方向からかすかに鈴の音が。

なんなんだろう。と思っていると、また音がパタリと止みました。

幻聴?

にしては、かなりはっきりと音が聞こえたのですが、本当に不思議な出来事でした。

その後無事に下山完了。

テラスでは何か撮影をしていた様子。大きな声で撮影スタッフから挨拶され、少々困惑でした。

景色はイマイチでしたが、久しぶりの山の空気、やはり良いものだと思いました。


平出さんや中島さんとは比べるべくもなくレベルは違い過ぎますが、彼らが未踏に拘った気持ちは理解できるように思います。

私も私なりの挑戦をしに、これからも山に登り続けたい。そう改めて思うのでした。







【今回の釈迦ヶ岳登山記録】    

行動時間 2時間37分(標準タイム 2時間50分)  

■山行タイム 2時間20分


7:09 駐車場 

7:50 府駒山 30(50)   

8:20〜8:35 釈迦ヶ岳 30(40)  

9:10  府駒山 35(30)

9:40 駐車場 30(45)




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