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大岳山・海沢探勝路〜アドベンチャートレッキング!?〜

  • 執筆者の写真: junpei
    junpei
  • 2018年7月9日
  • 読了時間: 11分


昨年の北岳以来のメンバーで日本三大雪渓のひとつ、針ノ木雪渓を 歩き、針ノ木岳に登る予定でしたが、霧が発生しそうだという予報 で、残念ながら登山は中止。 しかし、山には行きたい!! ということで、メンバーに入っていたNちゃんと二人、乾徳山に引き 続きで奥多摩に向かうことしました。 以前から一度挑戦してみたいと思っていた破線ルート。しかし、一 人でいきなり行くのは心細い…。Kさんには前々から低山の破線ルー トを一緒に行って頂いて地図読みの練習をしたいとお願いしていたも のの、そこそこの名だたる山を優先して登りたいと思っているKさん は奥多摩には魅力を感じない様子で、結局一度も挑戦できないままな のでした。 しかし、今回針ノ木岳が中止となったことで、期せずしてNちゃんと 一緒に行けることになり、そういう意味ではとってもラッキーな出来 事でした。 決定が急遽だったので、深夜呑み会から帰宅しフラフラしながらも ルートの状況を調べ、GPSが作動できるよう地図もインプット。 あとは、破線ルートまでの道のりをどうするかだけでした。 破線ルートが始まるのは林道奥の海沢園地というところ。 ここまで白丸か奥多摩から長い道のり舗装路で歩いてから行くのが一 番最短だと思えました。しかし、林道歩きが1時間以上続くのは疲れ るしつまらない…。ということで、以前鳩ノ巣から御岳山、更に日の 出山に続く縦走路を行こうとして工事で通れなかった越沢ルートを 使って海沢へ行くルートもありかも。と考えました。このルート上に は、越沢バットレスというクライミングのメッカがあり、その壁を実 際見てみたいというのもここを選んだ一つの理由でした。 この越沢バットレスは、全長80mもある本格的なゲレンデ。 しかし、あの山野井泰史さんは、このくらいの壁はフリーソロ(安全 確保の道具を一切使わず身一つで岩壁を登るという究極のクライミン グ方法)で登ってしまうらしい…。 そんな有名な奥多摩のゲレンデ。ちょっと見てみたい!ということ で、そのルートも簡単に調べ、深夜就寝となりました。 翌日はイベントの為、早朝から21時過ぎまで仕事で殆ど調べる余裕 はなく、寮に着いてすぐに就寝。3時50分起床で、Nちゃんと一路奥 多摩へと向かいました。 Nちゃんとの協議の結果、林道歩きが長いのはやはりイヤだという事 で、越沢ルートで海沢へ向かう事に決定し、鳩ノ巣で下車しました。 鳩ノ巣から民家を通り過ぎ、越沢ルート入口へと到着。まずは第一ポ イントである楢沢峠へと向かいます。 やがて一度林道らしきところへ登山道が向かいました。そこには、張 紙があり、越沢バットレス方面はこちらと大きな文字で書かれていま した。今回、この有名な越沢バットレスを見たいが為にこのルートを 選択したこともあったので、何の疑問も持たずその矢印通りに進んで 行きましたが、途中私有地があるらしく通れる道はまるでジャングル で、草をかき分けながらのかなりの荒れ地を進んで行きます。 暫くして沢に道が向かうとロックガーデンもびっくりな素敵な沢伝い の道が現れました。しかし踏み後はしっかりしながらも、かなり登山 道は荒れていて、途中現れる木の橋も苔むしていてかなり危なげな雰 囲気。しばらく行くと、沢を徒渉するポイントへとやってきました。 しかし…!! このポイント、普通じゃありえない感じの岩場が見えています。 明らかにクライミングで使用する「誰かが打った」リングボルトにク ライミング用のロープがつないである…。 これ、「誰が」打ち込んだんだろう…しかも、これってほんとに大丈 夫なのかしら…。と訝しがりながら、他にルートがないか見てみる と、沢を高巻きするように上部へ向かって鎖が付けられています。 この鎖すら、大丈夫なのか?と思うような古そうな鎖でしたが、まだ こっちの方がいいんじゃないか?と鎖コースを選択しました。 すると眼前に立ちはだかったのは、ありえない位苔むした大木で作ら れたなんの手すりもない丸木橋…。 平均台よろしくソロソロ歩いて渡ったとして、 見るからにツルッツ ルのこの橋では、絶対に足を滑らせ、数m下の沢へまっさかさまに転 落する可能性100%…というようなシロモノでした。 「ぎょえーー!!これは無理だ!!」と思って立ち往生していると、 反対側から男の子が沢の中にある岩を伝って徒渉してやってきまし た。やはり、これは下から行くしかないのか…と後戻りし、その「誰 かが」打ち込んだリングボルトのロープ伝いにまずは沢へ下りる所か ら始まりました。 沢までは2,3mはあるような崖っぷち。その崖をロープを頼りにトラ バースしていくのですが、足場は殆どなく、あったとしても濡れて いてつま先しか置けない程の小ささ。しかも角度は下向きでかなり 危うい!! 「まじかーーーー!!」 と口にしながら、相当慎重にトラバースしていきます。しかもこの岩 結構オーバーハングでトラバースしにくいことこの上ない状態です。 トラバースを2m程したあとで、ロープ伝いになんとか沢へ降り立ち ましたが、今度はそれこそ苔でツルツルしていそうな大きな岩を頼り に結構急な沢を徒渉。ここまででやれやれです!! お次はあり得ない丸木橋付近まで垂直の岩壁をこれまた「誰か」が打 ち込んだリングボルトにつけられたロープ伝いに攀じ上り、更にオー バーハングの岩壁をくるっと回り込みながらトラバース。しかも足場 はほとんどなくて、この木、腐ってるんじゃ…??と思うような足場 用に組まれた木を利用しながらという相当危ういポイントでした。 こんな危険なポイントがあるって、1/50,000の地図には書いてなか ったけど…!?と訝しがりながらも踏み後がしっかりしていることか ら、更に奥へと進みます。 途中これも大丈夫か?と思うような吊り橋や木橋をいくつも渡り、い よいよ越沢バットレスが見えてきました。高い…!!! 奥多摩にもこんな立派なゲレンデがあったのか…。さすが有名な場所 だけあります。聳え立つバットレスを左手に見ながら暫く行くと、今 は営業中止となった越沢バットレスキャンプ場が見えてきました。し かし、ここでいよいよ道が不明瞭になりました。 改めて地図を見てみると、本来なら尾根上を歩いていなければいけな いのに、相変わらず沢伝いに歩いている事自体間違っている…。でも 他に道あったっけ…??これ以上進むのは危険と考え、かなり進んで きてはいましたが、止むなく引き返す事にしました。行きはかなりの 危うさだった例のポイントも、帰りは登りだったせいか比較的簡単に トラバースでき、ようやく元の場所へと戻ってきました。しかし、他 に道はなく…これは林道へ一度出ないとダメなのではとよくよく張紙 を見てみると、小さな文字で「登山道へは迂回できません」との表示 …。あちゃー…!!やってもーたーーーー!!これは、林道を歩いて 行かなければならなかったようです。以前工事していたのはおそらく この林道だったようで、元々の地図とちょっと変わってしまったよう でした…。ということで、ほぼ振り出しに戻ってしまった私達。 1時間以上もバットレス周辺でわーわー遊んでいたせいで、当初の 目的であった海沢探勝路を使って破線ルートを克服するには、かなり 時間が押していました。 とりあえず、もし時間的に危うかったら探勝路の滝だけ見て、駅に戻 ることも考えなければいけないような事態でした。 気を取り直して、まずは大楢峠へと向かいます。 暫く続く林道からようやく登山道へ戻ると、大楢峠まではかなりの急 登でした。大楢峠から海沢まではまたも林道歩き。時間的にはまあま あのペースで海沢探勝路入口までやってきました。ここで一息いれ、 いよいよ迫って来た破線ルートへの突入に備えます。時間的には、こ の先道迷いさえなければ、12時半頃大岳山頂に着く予定で、山頂か らどこにも寄らなければ14時半から15時までには御岳山に下山でき そうでした。ということで、初志貫徹このルートを登ることで決定、 歩き始めます。次々に現れる滝はかなり見事で素晴らしく、楽しみな がら進みますが、ネジレの滝を過ぎた辺りから急に道が険しくなりま した。そして、大滝を遠目で確認していよいよ標識にかかれた悪路へ と向かいます。 ネジレの滝以降、登山道は岩場かと思うような斜度の連続。誰かがブ ログに書いていた「奥多摩三大急登のひとつ、‘稲村岩尾根‘よりもキ ツイ」という言葉に素直にうなずける程の急登で、延々とその悪路が 続いていました。しかし、思ったより踏み後はしっかりとしていて、 道迷いする危険性はありませんでした。事前学習していた本筋の沢 ルートから、支沢に分かれるポイントには、ちゃんと標識も立ってお り、自分が思っていた地形通りだと確認することもできま した。ようやく、沢を詰め最後の尾根に乗った事も確認でき、あとも う少しだとNちゃんと励まし合いながら、最後の急登を登り切って正 規登山道に出合いました。 しかし、このポイント。標識はありながら、海沢探勝路への表示は皆 無。やはり、この道は登りでしか使えないようです。その為に、案内 表示は敢えてしていないのでしょう。 疲れ果て、ここで休憩を取っていると、既にそこで休憩していた若者 二人が我々が今登って来た道を下りようとして迷っているようにも見 えました。この道を下るのはかなりベテランじゃないと危ないと思っ たので、 「お兄さんたちどこまで行くの?」 と声をかけてみました。すると、大岳鍾乳洞まで行くらしい。え? それってあの馬頭刈尾根の先の…??と思い、 「それって反対じゃないのかな?どこの鍾乳洞?」ともう一度聞いて 見ると、彼らが指差した1/50,000地図の場所は、思った通りのポイ ントを指していました。 聞けば御岳から大岳へ登り、間違って鋸尾根方面に下りて来てしまっ た様子。明らかに初心者で、持っている地図も目的地がギリギリ入っ ているような地図だけ。おそらくそれだけでは周辺が把握できないだ ろうと推測されたので、「その地図では切れているけど、山頂を下り て大岳山荘の脇を下りた先に馬頭刈尾根があるから、途中分岐を鍾乳 洞方面に行くように」 と教えると、お礼を言って勢いよく再度大岳山頂目指して登って行き ました。 我々も山頂直下の最後の岩場を登り、ようやく大岳山へ到着です!! 残念ながら富士山は見えませんでしたが、丹沢は綺麗に見えており、 昼食を食べようと荷物を降ろした時でした。あっという間にガスが 立ち込めてきて、今さっきまで見えていた山々がすっかりガスに隠さ れてしまいました。これは、雨が来るかもしれない。と思い、長居は 無用。と、行動食をちょっとつまんだ程度で一目散に下山開始となり ました。 大岳山荘前で休憩していたさっきの若者達に「またね」と声だけかけ て、私達はどんどん先へと進みます。 鍋割山への分岐を過ぎた辺りから、雨が降り出しました。しかし、樹 林帯だったこともあり、ほとんど濡れずに済みそうだったので、レイ ンウエアもザックカバーもナシでとにかく下山です。 あっという間にロックガーデン出口の東屋までやってきました。 ここで一息いれて、残り僅かな御岳山まで急ぎました。 途中雨に喜んで登山道に出て来たカエルに出合う事7回!カエルが喜 こぶような雨粒は一時強くなったりしましたが、御岳山駅に着く頃に は殆ど止んでいました。 予想よりかなり良いタイムで無事ケーブルカー駅に下山。 私達二人、結構頑張りました! 道を間違え、出鼻をくじかれたものの、予定変更することもなく、目 的達成することができ、かなりの達成感で疲労も心地よい程でした。 帰りの電車であの恐ろしいトラバースを振り返り、大変だったけど結 構面白かったね!!と大笑いしました。 結果的には、登山道から見えるとばかり思っていた越沢バットレスは あそこまで行かなければ見えないという事もわかり、二度と足を踏み 入れることもないあの沢伝いの道を歩けた事も、良い思い出となりま した。 そして、道迷いで1時間以上もロスした割には、トータルではほぼ標 準タイムで歩いて帰って来たことも判明。 にわか雨のせいもありましたが、大岳山から御岳山までの標準タイム を1時間巻きの早さで下山した為、道迷いがチャラになっているとい う…(笑)。 何はともあれ、怪我無く、無事に行ってこられて本当に良かった! 一緒にお付き合いしてくれたNちゃん、本当にありがとうございまし た! また女子登山、やりましょう♪ 【今回の大岳山〜海沢探勝路〜登山記録】   行動時間 7時間9分(標準タイム  7時間5分)  7:14 鳩ノ巣駅 8:49 林道 1’30(30) ※道を誤り1時間のロス 9:49〜55 大楢峠 1’00(1’20)   10:20〜10:33 海沢園地 25(30)   11:00  大滝 27(40)  12:33〜42 鋸尾根出合 2’00   12:53〜13:00 大岳山(1,266.5m) 11 〈2’11〉(1’50) 14:23 御岳山駅 1’23(2’15)


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