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執筆者の写真junpei

松生山〜破線ルート第二弾〜



破線ルート攻略。これは今年の目標となっています。この目標を達成すべく、前回は その手始めとして高尾山北側にある城山に続く破線ルートを登りました。 これが、思いの外容易に登れた事から、今回はもう少し歯ごたえのあるルートを選択 したいところです。 そこで、候補のひとつである松生山から浅間嶺へ抜けるコースを歩いてみる事に決め ました。 ネットで検索してみると、それ程難易度は高くないようでしたが、山頂まで3時間程 かかると書かれているブログもありました。 1/50,000の地図には、参考として標準タイムなるものが記載してあります。しかし 破線ルートの場合、バリエーション(一般のルートとは違う、より困難な登路)であ ることから通常の場合、記載はありません。1/25,000の地図で確認してみると細い 尾根筋を辿るルートのようです。今の私のレベルであれば、尾根に乗りさえすれば道 迷いの可能性は極めて低いだろうと思われました。しかし、これほど長い破線ルート を歩くのは今回が初めて。ブログにあったように、3時間かかる事を想定すれば、で きる限り早い時間に登り始めたいところです。 ということで、今回は秋川のホテルに前乗りし、6時18分発のバスで登山口である 笹平へ向かう事にしました。 いつの間にやら日も長くなり、6時ともなるとすっかり明るいこの頃ですが、この時 間にバスを待つ人は殆どいません。乗り込んだ数馬行きのバスも、乗客は私一人だ け。やがてバスは桧原村へと突入し、クネクネした山道へ入って行きました。 駅から約20分。目的の笹平へ到着です。事前に調べたように、何の標識もない畑の 脇に付けられた細い道を登ったところが今回の登山口。すぐに見つかるかどうか心配 していましたが、難なく見つける事ができ、とりあえず一安心です。 荒廃しきった荒れ地の中に佇む標識を確認したところで、身支度をし、GPSをセッ ト。まずは尾根への取り付きを目指して出発です。 歩き始めると、奥多摩にありがちな「いきなり急登」の先制パンチをくらいます。 しかも道はかなりの荒れ模様で、踏み後も薄い。どこがルートなのか判別もつかない ままに、上を見上げつつ尾根の突端と思われる箇所を目指して木の根や岩に掴まりな がら、半ば攀じ上る形で高度を上げていきます。最初からなかなか味のある取り付き で、若干の不安を感じながらもようやく主脈である尾根に乗りました。尾根に乗って からは、踏み後も大分はっきりしてきましたが、すかさずコンパスで尾根の向かう方 向が間違っていないかどうか確認しつつ、かなりの斜度を登って行きます。 緩やかだろうと想像していた、等高線の間隔が広い部分は、地図に表現されない数m 単位のアップダウンが潜んでおり、地味に疲労度が増して行きます。 自分の感覚では、相当の標高を稼ぎ、800m地点あたりまで上がって来たとの認識 だった為、一度ここで答え合わせをしようとGPSを開いてみました。すると、なん とまだまだ700mのポイントまでしか来ていないことが判明。 標高と距離感がまだまだ掴めていないようで、かなりの落胆です。 しかし、気を取り直して実際に見えている斜度がどれくらいの標高差なのかを地図で 確認しながら体に叩き込んで歩いて行きます。 やがて松生山であろうピークが尾根上から見え始めると、南側の稜線、笹尾根の向こ うに富士山の頭の部分が顔を覗かせ始めました。途中短い急登もありながら、前半の きつい道からは一変し、ゆるやかに続く尾根道歩きはなんとも楽しいもの。また、高 度が上がってくると、尾根越しに完全に姿を見せた富士山、右手に大岳、御前山と眺 望も素晴らしい!! 緩やかな上り坂を進むと、樹林帯を抜け、突然目の前が開けました。 松生山(933.7m)山頂です。 かかった時間は、ちょうど2時間。予定より1時間巻きでの到着となり、なかなかの ペースで登って来たようです。 山頂は広く、南側の眺望が特に開けており、丹沢から富士山が一望できました。丹沢 の左手には海がキラキラと見えていました。 風は全く吹いておらず、時折鳥のさえずりだけが小さく聞こえる程度の静寂な空間が そこにはありました。丸太のベンチにひとり腰掛け、その静寂に身を委ねます。 ソーラーアンテナがでかでかと立っていることだけが唯一残念なところではあります が、松生山がこんなに素敵な山だったなんて、全く知らなかったことでした。 そもそも訓練に特化した山行計画だったこともあり、良い意味で想像を裏切る結果と なったことは、思いがけない収穫でした。 思わず「いい山だわ」と独りごちてしま う程。これだから山はやめられません。 暫く贅沢な景色を独り占めした後は、浅間嶺まで稜線を進みます。ここからの眺望は 更に良く、南側だけでなく、北側も開けていて 三頭山、雲取山、鷹ノ巣山、御前 山、大岳…と、奥多摩有名どころの山々が広がっていました。やがて 払沢の滝から 続くルートに合流すると、程よい間隔で生えている木々の間を緩やかに登っていきま す。広い尾根上にこんもりしたピークが見えてきました。浅間嶺(903m)です。 以前滑落して足を怪我している頃に、山ごはん会と称してこの浅間嶺にO嬢と来た以 来のこの場所。この景色を堪能しながら食べたカレーの味は、今も忘れられない良い 思い出になっています。 広いピークにはベンチやテーブルも設置してあり、眺望も良い事から、多くのハイ カーが訪れるところです。 時間が早かった事が功を奏し、人気のこの場所さえも私だけの空間となりました。 ストーブでお湯を沸かし、インスタント味噌汁を飲みながらおにぎりを食べます。 心が次第に解放されていくのが心地よく、またそれをたった一人で味わう感覚は他に 類を見ない貴重な経験です。 先日の冷たい雨は標高1,200mを超える山々では雪となり、未だ丹沢も秩父も雪山。 鷹ノ巣山から雲取山へ続く石尾根の美しい雪山の稜線を眺めながら、ぼんやりと時間 を過ごしていると遠くから人の声が聞こえてきました。 たった一人の贅沢な時間はこれにて終了。これをきっかけに後片付けに入りました。 やがて到着したご夫婦と二言三言言葉を交わし、挨拶をして払沢の滝方面へと下山で す。こんなに林道を歩いたかな?と思う程の長い林道歩きを終えると、大好きなちと せ屋さんが見えてきました。ここでざる豆腐を購入し、松生山登山は無事に終わりま した。 次回の破線ルートは、もしかすると蕎麦粒山直登ルートになるかもしれません。 それまで、暫くは一般道でスキルアップに邁進していこうと思います。 【今回の松生山〜浅間嶺登山記録】   行動時間 4時間 20分              ■山行タイム  3時間32分 6:55 笹平バス停 7:21〜7:25 500m付近 26 7:46〜7:50 701m  21 8:16 850m 26   8:27 払沢の峰(858m) 11 8:55〜9:05 松生山(933.7m) 28   9:22 分岐 17 9:30〜10:00 浅間嶺(903m) 8 10:08 分岐 8 11:15 払沢の滝入口 1’07(1’50)


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