top of page
執筆者の写真junpei

山梨のグランド・ジョラス!? 〜十二ヶ岳〜



3週連続の登山は、久しぶりにKさんと出かけました。 今回挑戦するのは、河口湖、西湖の近くにある十二ヶ岳。 キチガイじみた山をちょくちょく提示してくるKさんですが、今回も なかなかの山のようでした。1/50,000の地図には、危険マークが数 箇所つけられており、しかも中級者〜上級者向けと書かれています。 これ、大丈夫なのか??と一抹の不安はよぎりながらも、Kさんが誘 ってくださるのだから、まあなんとかなるんだろう。ぐらいにしか考 えていませんでした。 さて、やってきた当日の朝ですが、イマイチ体調がすぐれません。 …と言うのも、私がいつもの如く後先考えずに呑み会を優先したせい なので致し方ないところではあります。 睡眠時間4時間弱、多少胃のむかつきをおぼえながら4時にピック アップして頂き、河口湖へ。 快晴の中、迎えてくれた富士山の圧倒的な存在感に改めて感動しつつ 6時半いざ登山開始です。 高度が徐々に上がってくると共に河口湖がだんだん見えてきます。 順調に高度を上げ、まずは毛無山に到着。湖と富士山のなんと素晴ら しいこと!!やはり富士山は見る山だとつくづく思いながら、その雄 大な富士山に見守られる形で十二ヶ岳に続く尾根を歩いて行きます。 毛無山から十二ヶ岳までの間は、その名の通り半ば無理矢理とも思え る12のピークがつけられています。12とは言えないまでも、少なく とも大雑把に8つのピークは数えられるこの尾根道。 次々やってくるピークにアップダウンはその都度強いられるわけで、 息はあがり、地味に疲労度が増していきます。そして、数を追う毎に だんだん切れ落ちたピークや狭い尾根が増え、途中ロープが付けられ た険しい箇所も数多く出現。追い討ちをかけるように精神的にも疲労 感が増します。 そうこうするうちに、前方に、年配の方々のグループが見えてきまし た。先頭のおばさまはなかなかのベテランのように見受けられました が、あとの3人はそうでもない様子。 このグループを追い抜き、十一ヶ岳のピークに登る辺りから、去年 登った二子山を彷彿させるような切れ落ちた岩壁が見えてきました。 難易度からいくと、二子山の方がホールドの多い岩場でむしろ登るの に楽だったような気にもなってきます。少ないながらもホールドを探 し、補助的にロープを使いながらの登攀です。怖さはそんなに感じま せんでしたが、かなりキツイ!ふうふう言いながら最後のピーク、十 二ヶ岳へ向かいます。しかし、あのご年配の方々、こんな恐ろしい山 によく来るなぁ!と感心しきりです。来ようと思うだけでも素晴らし い!!あんな年配の方々でも登れるんだから、私が登れないわけがな い!とここで気合いを入れ直し、難所へ。 まずは断崖絶壁とも思えるような高度感のあるかなり急な岩場をロー プで下ります。岩にホールドがほぼないので、ロープを頼りにするし かなく、一歩一歩着実に下ります。かなり長い絶壁を下りた後は、足 場がスカスカの吊り橋。「ひとりずつわたれ」との看板があります。 私が先に渡ることになり、吊り橋の手すりを掴み辺りを眺めますが、 これがまた結構コワイ!思わず口からこぼれ出てしまった「コワイ」 という言葉を否定するがごとく、「怖くない!怖くない!!」と念仏 のように唱えながら歩くと、それを聞いたKさんが 「怖くない!怖くない!」と一緒に励ましてくれました。 非常にゆっくりではありましたが、ここもクリア。さて、最後の急登 ですが、ここも二子山もびっくりな急峻な岩場の連続です。 鎖を使いながら登っていくと、十二ヶ岳山頂に到着しました!! お腹が空いたのでおにぎりをひとつ食べ、休憩しているとさっきのお ばさまたちが到着!「こんな山に来るなんてすごいですね!!」と声 をかけると、以前にも来たことがあるとのこと。なんとまあ、すごい 方がいるものです。私があのくらいの歳になったら、おそらくこんな おそろしい山には来ないと思うけど…(笑) さて、こんな恐ろしげな岩場の連続の山、はっきり言ってもうお腹い っぱいです。しかも、こんな危険な岩場をピストンするなんて絶対に イヤ!!行けなくはないにしても、下りはかなり時間を要するし、ま ず精神力が最後まで持ちません。ということで、復路はエスケープ ルートで桑留尾に下りるコースを選択する事に決定しました。私は既 に気持ちも萎えて、ここから下山してもいいと思う程でしたが、当然 のことながらKさんは行く来満々。予定通り節刀ヶ岳まで行くつもり でいるようです。しかし、こんな岩場の連続で、私、本当に大丈夫な の!?と不安な気持ちでいっぱい。…でも、結局行く事になり、下山 するというおばさま達にお別れを告げ、出発です。 細い尾根道を暫し進むと、思わず息をのむような、それこそ崖のよう な岩場が現れました。ロープが垂れていますが、その先は全く見えま せん。吸い込まれるような崖です。まずはKさんが先行し、私に指示 を与えてくれますが、こちらもいっぱいいっぱいで、その指示に返事 すら出来ません。途中バランスが崩れ、体勢を整えるのに相当苦労し ながらも、なんとか到着…!!手が滑ってロープから手が外れれば、 間違いなく大けが、はたまた死亡??みたいな恐ろしい岩場でした! 一方Kさんは、私の不注意でいくつも落としてしまった落石で死の恐 怖を味わった様子。色んな意味で(笑)恐ろしい岩場でした。 その後は然程難しい箇所もなく、金山へ到着。 そこから一踏ん張りで、目標の節刀ヶ岳へ到着しました。 すっかり雲に隠れてしまった富士山でしたが、美しい湖を眺めつつお 昼ご飯を食べました。 さて、ここからもう一度金山を経て十二ヶ岳へ登り返し、エスケープ ルートへと戻るのですが、なんと金山からルートを間違い、鬼ヶ岳へ 向かっている事にKさんが気付きました。すっかり気持ちも萎え、二 人で歩いている事で気が大きくなり、すっかりKさんに付いて行くだ けになっていた私。 途中私の方へ振り返り、「こんな道歩いたっけ?」「こんなに道 凍ってたっけ?」というKさんからの質問にも「あったんじゃないで すか〜?」と完全に気を抜いていた私でしたが、一応方角をみましょ うか。と、コンパスで確認してみて初めてルートを誤った事が判明。 念のためGPSを作動させてみると、鬼ヶ岳への尾根を半分程もきてい たのでした…。更に気持ちは萎えますが、来た道を戻ります。 無事金山に到着。気持ちを入れ替えて十二ヶ岳へと向かいます。 ここで、改めてピークや分岐を通る際には十分気をつけなければいけ ないことを二人で確認しあいました。 更に、私もついついKさんに頼りっきりになっていたことを反省。 道迷いのロスもこれくらいで済んで本当に良かった…!! そんなこともありつつ、最後の難所がやってきました。あの絶壁を今 度は登り返さなければなりません。Kさんが言うには、ホールドがな い為、ロープをしっかり握って体を持ち上げていくしかないとの事。 少しずつKさんが先行し、指示を与えてくれます。私も、それに応え ながら、ロープを頼りに登っていき、なんとかクリア!いや〜久々に 命がけの真剣勝負でした…!! 十二ヶ岳からのエスケープルートは、これはこれでかなりの急坂で、 やはりロープを頼りに行かないと、とてもじゃないけど下りられない というような道の連続で、なかなか気が抜けません。また、切れ落ち たトラバースもかなりあって、なかなかのルートなのでした。 ようやく湖畔の舗装路まで下りて来た時の安堵感といったらありませ んでした。その後テクテク駐車場まで歩いて行きましたが、途中フレ ンドリーなおじさま2人組に声をかけられ、暫しお話。その直後に出 逢った小学生達からは、「こんにちは!」と挨拶をしてもらい、この 土地の温かいお人柄を感じ、心洗われる思いでした。 さて、そんなほっこりした気持ちで終了した今回の登山でしたが、 なかなかのハード登山となりました。感覚的には夏に行った権現岳 ピストンと同じくらいの疲労感。それもそのはず、行動時間は8時間 を越えていました。いやーーー…疲れました。 全体的には、秩父のジャンダルム「二子山」より今回の方がハードだ ったかもしれません。そこでKさんが名付けました。 「ここは山梨のグランド・ジョラスだぜ!」 たまたま行きの車内で、グランドジョラスに登ってきたっていうすご いおばさまがいた!という私の話題が元だったというのがオチなので すが、グランド・ジョラスとまではいかないまでも、体力的、技術的 に見てもなかなかレベルの高い山である事は確かです。 今回もそんな危険な山を無事に行って来られたのは、Kさんの御陰で す。ありがとうございました!! 次は、ソロソロ冬山。精進します!   【今回の毛無山〜十二ヶ岳〜金山〜節刀ヶ岳登山記録】   行動時間 8時間17分(標準タイム  6時間45分)      ■山行タイム 5時間55分  ※ 道迷いで29分のロス 6:35 足和田出張所 6:48 毛無山登山口 10 7:48 分岐 60(1’10) 8:16〜26 毛無山(1,600m) 28(30) 9:53〜10:10 十二ヶ岳(1,683m)  1’27(1’30) 10:52〜57 金山(1,686m) 32(40) 11:06〜35 節刀ヶ岳(1,736m) 9(15) 11:47〜54 金山 12(15)   12:23 金山【鬼ヶ岳方面から引き返す】 29分のロス   13:06〜13:17  十二ヶ岳 48(40)   14:14〜14:22 休憩   14:44 下山口 1’19(1’45 ) 15:08  足和田出張所 24 



閲覧数:3回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page